8年ぶりに1人でネパールに遠征をしてきました。
目的はパーソナルベストのアイランドピーク(6,189m)です。
トレッキングの日程は14日間。
めっちゃくちゃいろんな事がありましたので、ここには「アイランドピーク/エベレスト街道に行ってみたいな!」って方の参考になるように!って趣旨でやや抜粋して書きます。
上記はざっくりとしたルートです。
バンコク経由でカトマンズにやってきました!
ネパールは8年ぶり3回目。
8年前の時にガイドに連絡をとって、今回コーディネートしてもらいました。
◆費用一覧◆
アイランドピーク対応保険 42,310円
飛行機代13万円
トレッキング代14日間 2500USD(37.5万円ほど)
↑これに宿代、3食のご飯、お茶、飛行機、ガイド代、入山許可など、基本的なもの全て含みます。
含まないのは、レンタル品、お酒、お水、くらいかな。
トレッキング初日
カトマンズ→ルクラは「たまたま格安の空席があったから!」ってことで、急遽ヘリでルクラまで行くことになりました笑。
人生初のヘリ!
カトマンズの街は猛烈に霞んでいました。
あ!っという間に、ルクラの空港が見えてきました。
信じられないほどスムーズにルクラに到着!笑
今回のガイドは日本語も話せるチャプテ!めちゃくちゃ優しくて気の利くナイスガイ!
ここからいよいよ14日間のトレッキングが始まります!
今回はMacBookなども持っているので、荷物の重量は23kgなり。
めちゃくちゃ重い💦
ドローンも持ってきたんですが、ネパールでドローンを飛ばすにはちゃんとした申請が必要らしい!ってことで、カトマンズのコーディネーターに預けてきました。無念💦
23kgの荷物を背負うことなんて日本では滅多にないので、無理せずゆっくりゆっくり歩きました。
初日の宿に到着。
基本的には朝7時朝ごはん→8時出発→途中でランチ→14時頃に次の宿に到着。
みたいなタイムスケジュール感で進んで行きます。
宿はだいたいずっとこんな感じです。
2つベッドがある個室をあてがわれます。
上の方に行くと、部屋に電源はなく、食堂で有料で充電してもらうことになります。
電源の穴は、このタイプが多いので、日本のコンセントがそのまま使えました!
トイレもベースキャンプ以外はきれいな洋式で、やべートイレはベースキャンプだけでした笑
2日目。遠くにでっかい山が見えてきました。
確か6000m後半の山ってことでしたが、なんて名前の山かは忘れました笑
エベレスト街道は動物優先です笑
ヤクと馬のハイブリッドのなんとか(これも名前忘れた)って動物が、荷物を運んでいます。
ここはお茶をしたカフェ。
8年前はほとんどなかったのに、今ではだいたいどこでもWi-Fiが使えます。
宿やカフェに着くたびに、チャプテ(右)に、「Wi-Fiある?」って聞いてました笑
8年前も渡った長い吊り橋を進み、
ナムチェの街に到着!
ナムチェまではかなり長い登りなので疲れます笑
ナムチェの街。8年前は4泊もしたので、よく覚えていました。
ナムチェへの途中でお腹を壊して、腹痛に襲われました。
宿に行って緊急袋から取り出した正露丸は、使用期限2018年でした笑
ま、関係なく飲むけどな!笑
ナムチェといえば、Journey1にもレポートにも書いたけど、ダワ少年の宿です。
2016年の遠征時に、4泊全て同じ宿に泊まったんですが、
その宿の少年・ダワくんと私は友達になったんです!
その宿を訪れると、ダワ少年はカトマンズで勉強している。ってことで、ナムチェにはいなかったんですが、宿の人に事情を話して、パシャっと📸
宿の中を見せてもらうと・・・
おおおおおお!!!!
私が撮ってあげたダワ少年のチェキが飾ってくれてある!!
これは本当に嬉しかったなぁ。
ダワ少年の写真も載ってるJourney1をダワ少年(青年)に渡してください。って置いてきました。
3日目。
通常はナムチェで1泊して体を鳴らすのが一般的ですが、今回は日程も少ないので、先に進むことに。
この日は天気が悪かったのでカメラもしまって登りに集中したので、写真は一気に宿に!
この日の宿泊地は「テンブーチェ(標高3860m)」
チャプテ「このホテル泊まった?」
私「どうだったかなぁ、全く覚えてないなぁ〜」
って話しながら中に入っていくと、
ここにも私が撮ったチェキが飾ってあった!!😳
同じ受付の女性を再度チェキで撮ってあげました。
右手が今回、左手が8年前。
「このホテルからエベレストも見えます!エベレストが見える方の部屋にしてもらいました!」ってチャプテの気遣いで、眺望のいい部屋に泊まる事ができました。
夕方になったら、アマダブラムが登場!
さらに待っていると、エベレストきたー!(中央やや左)
2016年はカラパタールで10秒くらいしかエベレストの山頂が見えなかったので笑、今回は大幅にその時の記録を更新しました笑
夜明け前のアマダブラムとエベレスト&ローツェ(中央)。
この辺りからもう朝晩はだいぶ寒い!
エベレスト街道とアマダブラム(6,814m)。
チャプテはアマダブラム登ったことあるんだって!あんなの登れちゃうの、マジで半端ない😳!
三脚を出して、チャプテとアマダブラム📸
アマダブラム、マジで存在感が半端ないっす!
途中でJourney1のネパールの表紙になった宿へ。
ここ泊まったなぁ〜笑
声をかけようと思ったけど、扉はしまって鍵がかかってました。残念。
今回の靴は、日本の雪山でも使っている、もう10年近く前に買った「スポルティバのネパールエボ」を履いてきたんですが、まさかの途中でソールが剥がれてきちゃう!っていうアクシデントが発生!🥾
雑貨屋で瞬間接着剤を買って、チャプテが応急処置をしてくれました笑
靴をはじめ、ハーネス、ピッケル、寝袋など、必要なものは上の町でレンタルすることもできます!危なかったぁ〜笑
標高4000mを超えると、世界はこんな感じ。
空気はめっちゃくちゃ乾燥しています。
なんとか標高4400mの街「ディンブチェ」に到着!
ちなみに、後ろの雪山の一番右が、今回の目的地のアイランドピーク(6,189m)!
この日の宿からもアマダブラムが半端ない!
宿の食堂はこんな感じ。
ディンブチェで2泊するので、食堂でMacBookを取り出して、ちょっと仕事をしていました笑
この辺りになると、朝には部屋に置いてあるペットボトルが凍るほど寒かった!水道の蛇口も全て凍って使用不可🧊
アイランドピークのベースキャンプ以外はWi-Fiが使えました。
上の方に来ると、このようなWi-Fiカードを買うことになります。
1000ルピー(だいたい1000円くらい)で24時間使えます。
チュクンは1200ルピーだったかも。
ネパールのご飯と言ったらダルバード!
ダルがお豆のスープ、バードがお米って言ってたかな?
これを混ぜ混ぜして食べます。
今回もずっっとダルバードばかり食べてました笑。
(ネパール最後の夜に日本食レストランに行って、親子丼を食べたんだけど、この親子丼がマジでうまくて秒で完食!
ネパールで食べたものの中で一番美味しかった!笑
散々ダルバードを食べたけど、やっぱり日本食が一番だった笑🥇)
夜明け前に起きて、宿の窓から撮ったアマダブラム。
シャッタースピードBULBで2分15秒で撮ったので、少し星が流れました⭐️
この写真、かなりお気に入り!
この日は高度順応日で、ディンブチェの街の近くの丘までチャプテと登って、あとはのんびり身体を休めました。
夕方に撮った残照のアマダブラム。
トレッキング6日目。
この日は一つ先のチュクンの街へ。
あまりの私の大荷物をみかねて、チャプテがザックを交換してくれました。
チャプテめっちゃ優しい!
荒野をいく私のザックを背負ったチャプテ。
標高4500mを超えているので、ぜんぜん早くなんか歩けません。
チャプテの軽いザックでも普通に疲れて、チュクンの街(標高4700m)に到着。
この日も残照が素敵だった。
トレッキング7日目はチュクンの街で高度順応。
近くの5000mの丘まで登って、あとはゆっくりしました。
トレッキング8日目。
真夜中に起きて、三脚をセットし、真っ暗闇の中を、ピント当て推量で、シャッタースピードBULBで5分15秒で撮った1枚がこちら。
少しだけ全体を明るくした以外は、無加工。
これが今回の旅のベスト。
この写真を「いい写真を撮りますね!」って約束した福島のYさんに贈ります🫶🐐
今回のガイドはチャプテですが、コーディネーターがケチってアイランドピークは別の安いガイドを手配してしまったので、アイランドピークのガイドは信用できるチャプテではありません。。
肝心のアイランドピークだけ日雇いのガイドです。。。😩
チャプテは経験豊富だから、少し値段が高い。でもそんなの関係ないから、チャプテにしてくれ!ってコーディネーターに連絡を入れたが、もうだめだの一点張りだった。
ふざけんなよー
アイランドピークのガイドが大幅に遅れていてるので、チュクンからアイランドピークのベースキャンプまでは、チャプテの友人で我々の今夜のコックさん「ミンマさん」に連れて行ってもらうことに。
ここでチャプテとはしばしお別れ。
陽気で優しいコックさんのミンマさん。
連れて行ってくれるお礼にパシャリ📸
チュクンから3時間ほどでアイランドピークのベースキャンプです。
あれがアイランドピーク。
無事にアイランドピークのベースキャンプ(標高5100m)に到着。
こちらが私のテント。
数日前からダイアモックスを朝晩半錠ずつ飲んでいるので、5100mまできても頭痛などの症状はほとんどありませんでした。
テントの中でガンガン料理を作ってくれるミンマさん。
でもミンマさん、テントの中でそんなに火を使ったら、一酸化炭素中毒になっちゃうよ🤢
予定よりだいぶ遅れて明日の日雇いのガイドのオムが到着して、軽くうち合わせをしたら就寝。
明日は真夜中12時起き。
山頂まで標高差1100mを一気に登るので、厳しい戦いになりそうだ。。。
あんまり眠れないまま、真夜中に起床。
カメラやハーネス、暖かいお茶の入った水筒をアタックザックに詰め込み、歩き出す。
気温は推測で-15度ほどか。
上:本気シェル、本気ダウンジャケット、ジャケット、ダウンベスト、薄いフリース、暖かい長袖の肌着、ミレーの編み編み。
下:ダウンパンツ、ノースの厚手パンツ、ユニクロ超極暖股引き。
靴:レンタルの暖かい靴、靴下2枚。
それだけ着ていてもなお、寒い。
標高5000mの世界。歩くペースが上がるわけがないので、登っていても、体は全く温まりません。
10歩歩いたら15秒休憩、10歩歩いたら15秒休憩、ほんとそんなペース。
空気が死ぬほど乾燥しているけど、ずっと必死で腹式呼吸をしているので、喉がめちゃくちゃ痛いし、痰の絡んだ咳が絶えず出る。
ちょっと肺?気管?がやられてるのかな?って途中で思ったけど、気にしていられないので、必死で登っていきました。
深夜12時に出発して、この時6時。
やっっと夜が明け始めてきたので、カメラを出して初めて写真を撮りました。
夜明け前のアマダブラムが本当に美しい。
見上げると、山頂付近が見える。あの光が当たっている奥がアイランドピークの山頂らしい。
この先がクランポンポイント(アイゼンとロープを使うポイント)。
「あと3時間ほどで山頂だ!行こう!」ってガイド・オムは言うんだけど、私の足は前にでない。
もう体力も足も喉も、全てが限界に近いのは自分でもわかる。それに水筒のお茶も残り少ない。
ガイド・オムに「俺は山頂まで行けると思うか?」と問うと、すぐさま「YES」って返事が返ってくる。
「さぁ行こう!クライミングは難しくない。水分も少し分けてあげるから行こう」そうガイド・オムは言って先に行こうとする。
私の経験上、行こうと思えば、最後の体力を振り絞ってあそこまでいけるかもしれない。
でもあそこまで行ったら、俺はどうやって帰ってくるんだ?!
直感的にあそこまでは無理だとわかった。
「NO!NO!!あそこまで行ったら、俺は帰って来れない!山頂へは行けない!」
そうガイド・オムに強く言って、私は下山することを決断しました。
日本で応援してくださった皆様、本当にすいません。
私が登ったのは5800mあたりらしい。
そこから一生下りです。降りてきてから撮った1枚。
疲れ果て、下りもぜんぜん歩けない。
ガイド・オムが私の荷物を全て持ってくれたけど、頭がくらくらして、本当にぜんぜん歩けない。
これは明らかにおかしい!
そう思いつつ、進まない足で、なんとか、本当なんとか、ゆっくりゆっくりベースキャンプまでおりました。
ベースキャンプまで降りても、世界はくらくらと回っている。少し目の焦点が合いづらい。
脱水症状かと思って水をがぶ飲みしたけど、一向に改善されない。
ガイド・オムは少し寝ろって言うけど、こんな健康状態で標高5100mで眠って、俺はちゃんと起きるのか?
これはまずいことになりそうだと気づき、私はザックの中にしまってあった保険証書をひっぱり出して、コックのミンマさんの元に行った。
「ミンマさん、私に何かあったらすぐにヘリを呼んでください!」
そうお願いして、少し横になった。
少し横になって目が覚めると、体調が少しだけ回復していました。
よかった、死んでない。。。本当にそう思った。
私が体調を崩したって連絡が下のチュクンの街にいって、しばらくすると、なんとチャプテが救急車がわりの馬を連れて、ベースキャンプまで上がってきてくれました。
チャプテに会えて、本当にほっとしました。
馬に乗せられ、私はベースキャンプ(5100m)→チュクン(4700m)→ディンブチェ(4400m)まで運ばれました。
ディンブチェ(4400m)の街につくと、すぐにチャプテが日本の保険会社に電話をして確認してくれ、ちゃんとヘリも保険適用が大丈夫ってことだったので、翌朝ヘリがディンブチェまで飛んできて、私は一気にカトマンズへ病院送りになりました。
5100mから一気に5800mまで標高を上げたので、軽度?中度?の高山病ってことでした。
あのまま日雇いガイド・オムの言う通り、山頂を目指して突撃していたら、私は途中で力尽きて本当にアイランドピークのどこかで死んでいたと思います。
カトマンズに降りたらそのまま人生初の入院。
google翻訳を駆使して、色々と診察されて、あれこれ検査されました。
点滴をぶち込まれ、翌日にはどっさり薬を出されて、なんとか退院することができました。
あれこれ数値が悪い!って英語で言われたけど、あんまり理解しないまま退院しちゃった笑(写真は病院のナースたちと笑)
予定よりだいぶ早くトレッキングが終わってしまったので、そのままカトマンズのホテルへ降りてきて、このテキストは帰国を明日に控えた12月5日に書いています。
アイランドピークに登れず、ディンブチェ(4400m)に馬で降ろされたのが11月29日。
それ以来、痰が絡んだ咳と、下痢、乾燥で鼻の粘膜がやられたのか、鼻をかむと鼻血がでる、という各所の不調は今もなお続いています。
自分が思っていたより、激しく身体をやられてしまったみたいです。
そして気になる諸々の救助費用は、
馬の救急車:6万円ほど
ヘリ:5616USD=86万円ほど
入院代:32万円ほど
でした。
保険ででなかったら、違った意味で死にますね笑
登れなかったのは、私の体力不足。言い訳はしません。
ただチャプテが後日教えてくれたのは、「いきなりアイランドピークを登るのは身体が厳しい。登れる人は、もっと日程をとって、他の5000m峰を登って身体を慣らしてから、アイランドピークに行く」とのことでした。
今後登られる方は、参考にしてみてください。
アイランドピークはチャプテと行けなかったけど、本当にチャプテは最高のガイドってことは間違いありません。
彼がいてくれたから、いまこうして無事にレポートを書けています。チャプテ、本当にありがとう。
彼は自分でもガイドの仕事を受けているので、ネパールでトレッキングをしたい方はご連絡くだされば、チャプテを紹介します。
日本語が話せて、本当に本当に信用できる経験豊富なガイドです。
彼に言えば、全部手配してくれます。
長くなるので、ここに書いたのは、軽い触りだけです。
今回の挑戦の全てはJourney9に書きましたので、もし興味があったらそちらで詳細をご確認ください。
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【今回の主な登場装備】
靴:
上:
下:
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