こんにちは!登攀長です。
夏のテント泊に向けて身体を慣らしておきたい…
せっかくなら日帰りで北アルプスにいきたい…
そんな思いで選んだ針ノ木岳。天気予報は曇りでしたが、“あの景色”が見れたらいいなと僅かな期待を込めて行ってきました。
ちなみにルートの大半を占める針ノ木雪渓は、日本三大雪渓(白馬・剱沢・針ノ木)のひとつです!
上記はざっくりとしたルートです。必ず下記の地図のご購入をお願いいたします。
地図: 山と高原地図 剱・立山 2017
針ノ木岳の登山口は、立山黒部アルペンルートの玄関口である扇沢にあります。
日曜日でしたが、夏山シーズン前&天気がイマイチなせいか、無料駐車場はまだまだ余裕がありました。ちょっと遅めの8時に出発!
扇沢の駐車場の場所をgoogle MAPで確認
扇沢駅。今回はトイレのみ利用しました。左奥のゲート脇に登山口があります。稜線は見えているので、景色期待できるかなぁ。
登山届けとポストは登山口にあります。必ず提出してから入山してください!
何度か林道を横切りながら樹林帯の登山道を進みます。
この辺り(後立山)は熊の目撃情報が多い場所です。熊のかどうかわかりませんでしたが、わりと新鮮な糞が登山道に多く落ちてたので、念のため人間の存在に気づいてもらえるよう手を叩いたりしながら歩きました。
登山口から1時間ほどで大沢小屋に到着!小屋の営業は7月上旬からのようです。
大沢小屋HP
3kmで標高差は300m。針ノ木峠まで距離はあと半分ちょっとですが、標高差は800m!ここからが本番です。
小屋からしばらく進むと、雪渓へと降りる分岐が出てきます。夏道も続いていましたが、ここから雪渓を登ります。
これが針ノ木雪渓です!!!まだまだ雪はたっぷりありました。
ここまで2人の登山者としか出会わずちょっぴり不安でしたが、雪渓のうーんと先に人影を発見!安心しました。
早々にアイゼンを装着し、針ノ木峠までひたすら雪渓を登ります。結構急な斜面もあるのでこの時期は前歯のついたアイゼンの方が登りやすいと思います。
後ろに見えるのが爺ヶ岳ですが、山頂は終始雲の中でした。
まだまだ先は長い。。。そしてガスが少しかかってきちゃいました。。。雪はたっぷりあるので、踏み抜きそうな場所やスノーブリッジはまだありませんでした。
「のど」と呼ばれる幅の狭い所を通過すると、斜面が2つに分かれます。針ノ木峠への正規ルートは左側です!ここまできてやっと前方に見えていた登山者に追いつきました 。
針ノ木峠まであともう一息!ですが、既に足がパンパンで3歩登っては休憩の繰り返しでした(笑)
そうこうしているうちにガスが…。あぁ…。ひとまず峠に出てから、この先進むか考えることにします。
雪渓を登り始めてから約2時間、やっとの思いで針ノ木峠に到着!想像以上にハードな登りでした。針ノ木峠には針ノ木小屋がありますが、こちらの営業は7月1日からです 。
針ノ木小屋HP
相変わらずスッキリしない天気ですが、ガスは流れており富山県側の山は見えているので、針ノ木岳山頂を目指すことにします!
序盤は夏道ですが、この先雪面のトラバースが続くので、アイゼン・ピッケル装備で進みます。
すると、突然音もなく目の前に雷鳥が!!!危うくぶつかるところでした。。。
10分ほど登ると針ノ木岳山頂が現れました!一番右側が山頂です。
いよいよ斜面のトラバースへ。足場はしっかりしているので滑落や雪崩の心配はほとんどありませんでしたが、アイゼンを引っかけないように慎重に進みます。
斜面を見下ろすとなかなかの高度感!下の方に見えるのが登ってきた針ノ木雪渓です。
前方に目を向けると……ん??あれは剱岳?!?!
トラバースを終え振り返ると、通ってきた道がよく見えます。ひとまずホッと一安心。
さぁ、あとはあの斜面を登り切れば山頂です!が、これがまた………
このぐらい急斜面で引きました…。マジで足攣る5秒前でした(笑)
そして針ノ木小屋から45分、針ノ木岳山頂に到着!!!山頂は貸切!
まず目に飛び込んでくるのは裏銀座の山々。このスケール感が北アルプスの魅力ですね!
そして視線を北に向けると………、そこには待ち望んでいた景色が広がっていました!
立山(左)と剱岳(右)と黒部湖のコラボです!!!青空と日差しがないのだけが残念でしたが、それでも大迫力の景色でした。
そうこうしていると、ずっと雲に隠れていた後立山方面の山も一瞬だけ顔を出してくれました!真ん中のひと際尖っているのが白馬岳です
名残惜しいですが、最後に立山剱の姿を目に焼き付けます。また晴れてる時に来よう。
下山は来た道を戻ります。針ノ木峠を境に反対側にあるのが写真の蓮華岳。コマクサが沢山咲くようなので、その時期に登ってみたいな。
そして、下山開始と共にまたガスに包まれてしまいました。
梅雨の合間の曇り空でしたが、雪渓歩きと山頂からの景色を堪能することができました!
でもやっぱり青空が恋しくなりますね。
雪渓は夏でも涼しいので、これからの季節にオススメだと思います!
ただ雪渓は落石等の危険が多い場所でもあります。今回もサッカーボールぐらいの岩の落石があったので、耳を澄まし周りをよく観察しながら登るようにしてください。