日本第2位の北岳をソロでいきます。広河原からの標高差1700m!3193mの頂きを目指す。この標高差は自分史上最高です。
北岳をはじめとする南アルプスはマイカー規制をされており、芦安に車を止めて、そこからからバスか乗合タクシーで行くことになります。
最終のバスが16:30なので、これを過ぎたら帰ってくれなくなります。
始発のバスでいくと、最終まで9時間です。まぁ大丈夫だと思うけど、万が一怪我をしたら...と考えるとちょっと不安です。
初心者の方や、体力に自信のない方は、無理をせずに一泊で登ってください。
地図:昭文社「山と高原地図41 北岳・甲斐駒」
駐車場に着いた午前3時。見上げれば満天の星空。
いそいそと支度をしていると、始発のバスの前に乗合タクシーがでることに。これで時間に貯金が出来ます。
乗合タクシーは、9人乗り?8人乗りの大型のバンです。料金はバスと同じでした。定員が集まった時点で出発するみたいでした。
乗合タクシーの出発まで、おじさんと話をする。
おじさんは近所に住む釣り人で、北岳の麓で釣りをするみたい。
「この間の3連休には始発で大型バスが10台は出たよ。」って言っていました。
やっぱり登山は平日に限る。
バスの運行期間は例年だいたい6月下旬~11月上旬までです。
正確なバスの運行状況はこちらで確認してください。
6:20 広河原で乗合タクシーを降りて出発!もう北岳が見えています。朝日を浴びて輝いています。
「この日もいい天気になる」と乗合タクシーのおじさんが言っていた。
日本第2位の名峰に登ると思うと心が躍ります。
この気持ちはソロでしか味わえない気がする。不安と期待。孤独と自由と自己責任。
標高差と距離が長いので無理をせずに行きます!
ごつごつとした岩場を行く。
川を歩いているみたい。夏以外は雪渓なのかな。
北岳山頂までのルート。
こうやって見ると近い気がします。
7:40 最初のチェックポイントに到着。
看板には下りで2時間って書いてあるけど、登りで1時間20分で来た。
今日もいいペースです。
この時点で標高2200mあたり。700m/1700m来ました。
北岳のすそ野には高山植物が多かったです。
過去に登山で登った山で一番かも。
まぁタイミングにもよると思うけど、険しい山に美しい花。それだけでも来た価値がありました。
右側の崖をロッククライミングする人もいるらしい。すごい。。。
でもあんな崖を登ったら気持ちが良いんだろうな。登りたいとは思わないけど(笑)
植物の道が続く。
町の花壇にはそんなにそそられないけど、山に咲く一輪の花には感激する。不思議ですね。
色とりどりの花。
9月下旬だが2000m後半あたりは紅葉し初めています。
山が本当に美しい。
雪渓の上を行く。
9月末で雪があるってことは、ここは万年雪なんだろうな。
どゆことー(笑) 一人で「どっちだよ(笑)!」って声に出して突っ込んでました。
振り向くとかなり来たのがわかります。矢印のところスタート地点。
川沿い(雪渓沿い?)をひたすら登ってきています。
快晴で 絶好の登山日よりです!
左奥が八ヶ岳。
右は鳳凰三山かな。突起があるっぽいから、地蔵岳かな?
かなりいいペースでチェックポイントに到着。
のろのろしてると最終のバスに乗り遅れちゃうから、サクサクいきます!
鳳凰山(2840m)と同じくらいの目線な気がする。
ってことはあと残りの登りは400mか。
意外と余裕っぽい!
と、油断をしてたら、この八本歯コルってのが、地獄の階段!
すぐにさっきまでの余裕は一瞬で消え去りました(笑)
ここはマジ疲れました。標高が高いからか、寝不足だからか、このあたりから息がすぐキレます。歩くペースが確実に遅くなっているのが分かります。
ここで親くらいの世代の8人組グループと遭遇。
「若いから元気だねー」って言われるも、「もうしんどいですよ(泣)」って返す。
わいわいと楽しそうなおじさん&おばさん達でした。
間ノ岳(あいのだけ)を望む。間ノ岳の標高は3189m。日本代4位の山。
北岳とは4mしか変わらない。
1)富士山 3776m
2)北岳 3193m
3)奥穂高 3190m
4)間ノ岳 3189、
って、富士山はぶっちぎりだけど、2位から4位は接戦なのね。
ここの稜線を歩いたら気持ちよさそうだなぁ。風の強い日は歩きたくはないですが(笑)
※2014/03/27 国土地理院が標高を訂正し、間ノ岳は3190mになって、3位タイになりました。
間ノ岳への稜線に山小屋が見えます。
おそらく北岳山荘だと思われます。
ずいぶん高いところにあるんだなぁ。あそこからみる朝日はすごそうだ。
はぁーはぁーいいながら登っていたら、振り返ると富士山くるーーーーー!
ホイミくらいHPが回復した。ちょっと感動的だ。
大迫力です!
あと50分!もう一歩一歩が重く遅い。街でおばあちゃんが歩く位のペースで、少しずつ登っていきます。
なんどもなんども振り返る
決して疲れてるから休憩してるんじゃない。富士山が見たいんだ。
間ノ岳が大迫力。険しいぜ。でもすごくきれい!ぜひいつかチャレンジしたい。
さっきの写真より山小屋が下に見えるのがはっきりわかります。
おばあちゃんくらいのペースだけど、確実に登ってます。
あと20分!この時点でスタートから3時間20分経過。
すでに標高も3000mを超えています。
しんどいよー。
間ノ岳にはこっちに行くのか。しかし確実に日帰りは無理です(笑)!
あの山小屋に泊まって2座行けたら最高だろうなぁ。
頂上まであと少しだ
飛行機が悠々と飛ぶ姿が憎らしい。
10:00 ついに登頂しました!
スタートから3時間40分で頂上に到着。
日本第2位を踏破しました!
過去トップ3に入るくらい疲れたけど、9月下旬で夏に比べて日差しがだいぶ和らいだ分、体力の消耗は少なかったです。
真夏に登るのはこりゃしんどそうだ。
最高のご褒美を独り占め。頂上にはもう一人いたから、独り占めではないけど(笑)
でもガラガラの頂上で満足感に浸る。
頂上にいたもう一人と話をしてて、さて下ろうかな、って思ったら、向こうも「じゃぁ私も」と、なんか一緒にいこうか的な雰囲気に。。。
せっかくの一人の時間を邪魔されたくなかったので、大変申し訳ないけど、「ひとりで行きたいので先に言ってください」っていう。
矢印がスタート地点。
あそこから来たのか。あそこまでこれから戻ると思うと気持ちが萎えます。
登山は下りがきついし怪我をするからね。
この1700mを下るのは本当に疲れました。でも登りきった達成感ときれいな景色で、ウキウキしながら下りました。
仙丈ヶ岳かな。
山々が本当にでかくてきれいです。
No.1とNo.2の共演。
北岳の雄姿がかっこいい!
下りながら、「俺はこの山を登ったのか」と達成感をかみしめる。
ずっと好きだった女とやっと付き合えた感覚に近い。 たぶんw
甲斐駒ヶ岳。
この山、登山での標高差2200mw!
さすが修行僧が登った山。意味不明な標高差w
ぜひ来年はテントを買ってアタックするぞ!
※2013年 甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根からの標高差2200m登山の様子はコチラ
紅葉が美しい。空も美しい。山自体も美しい。
こんな贅沢、都会にはない!(断言)
バス停がある広河原まで下ります。
このとき11:45。最終のバスまで4時間以上あるから一安心。
帰れないことはなさそうだ。
って、油断したときに転んだりするので、最後まで気を引き締めていきます!
紅葉越しの北岳。
あまりに美しく何度も振り返る。
北岳すげーいいです!
14:15 下山!
中央の白いのが、万年雪ゾーンです。
北岳はかなりいい山でした。
バス停に行くとバスが行ったばかりだった。
次のバスは何時ですか?と、予約のお客さんを迎えに来た乗合タクシーの運転手さんに聞くと、「2時間後だよ」との答え。
それ最終のバスじゃん! せっかく急いで下って来たのにそれまでバスないのかぁ。おまけに携帯は圏外。ショックがでかい。
2時間もどうしようかなぁ、って思っていたら、なんと予約の乗り合いタクシーの運転手さんが「8人の予約があってもう一人乗れるから乗せてあげるよ」との声が!
助かった―。(もちろんお金は払いました)
それもその予約してる8人のお客さんって、さっき八本歯のコルですれ違った楽しそうなおじさんたちでした!
本当に登山って人との触れ合いもあって楽しい。
日帰りピストンは30歳の僕では可能でしたが、ご自身の体力やペースを鑑みて無理をしないようにしてください。